So-net無料ブログ作成

橋姫06八千矛神とスセリヒメ [橋姫]

Twolovers.jpg
「 宮廷の恋人たち」 イスファハン 1630 年

橋姫06八千矛神とスセリヒメ

兄達の攻撃から逃れた大国主神は、スサノオの根の国でスサノオの娘スセリヒメに出会う。
スサノオの与える数々試練を乗り越え、スサノオの「刀」「弓矢」「琴」を奪い、二人は
駆け落ちする。やがて兄達を打ち払い宮殿をたてます。

八千矛神(大国主神)の大后スセリヒメは大変嫉妬深い方でした。
それを夫は心配して、出雲からヤマトへ出発しようとして片手を馬のくらにかけ、片足を
馬の鐙に踏み入れ、こう歌った。

ぬばたまの 黒く御衣を   まつぶさに 取り装い
沖つ鳥   胸見る時    はたたぎも これは適さず
辺つ波   そこに脱ぎ捨て 
そに鳥の  青き御衣を   まつぶさに 取り装い
沖つ鳥   胸見る時    はたたぎも これは適さず
辺つ波   そこに脱ぎ捨て
山県に   蒔きし     あたね春き
染木が汁に 染め衣を    まつぶさに 取り装い
沖つ鳥   胸見る時    はたたぎも 此し宜し
いとこやの 妹の命
群鳥の   我が群れ柱なば 引け鳥の  我が引け柱なば
泣かじとは 汝はいうとも  山処の   一本薄
項傾し   汝が泣かさまく 朝雨の   霧に立たむぞ
若草の   妻の命     事の語事も 是をば

筆者意訳
異国の姫が織った黒い御衣を着てみたが、似合わないので捨ててしまおう
異国の姫が織った青い御衣を着てみたが、似合わないので捨ててしまおう
あなたがあかね草で染めた御衣を着てみれば、とてもよく似合うのでこれを着よう
いとしい妻よ、皆と一緒に私が旅に出ても、泣かないとあなたは言うが、
きっと、山辺の一本の薄のようにうなだれて、その吐息は霧となって立つだろう
いとしい妻よ

八千矛神がこう御歌いになるとスセリヒメは大きな酒杯をとって、夫の側に立ち寄り、杯
を捧げてお歌いになった。

八千矛の  神の命や    吾が大国主
汝こそは  男に坐せば   打ち廻る  島の埼埼
かき廻る  磯の埼落ちず  若草の   妻持たせらめ
吾がはもよ 女にしあれば  
汝を除て  男はなし    汝を除て  夫はなし
綾垣の   ふはやが下に  苧衾    柔やが下に
楮衾    さやぐが下に
淡雪の   若やる胸を   楮綱の   白き腕
そだたき  たたきまながり 真玉手   玉手さし枕き
百長に   寝をし寝せ   豊御酒   奉らせ

筆者意訳
八千矛の神、大国主よ
貴方は男ですから、訪れる島々に妻がいらっしゃるのでしょう
私は女ですから、男はあなただけ、夫はあなただけ
綾の帳がゆらめく下で、柔らかな絹の上布にくるまれて、
さわやかな楮の褥の上で、淡雪のように私の白く若い胸を、
楮の白い綱のようなあなたの白い腕で、たっぷりと愛撫して
そして玉のように美しい私の手枕で、いつまでもお眠みください
この酒杯を馬上のあなたに捧げましょう

このように歌われて杯を捧げると、自らも馬上に上がり八千矛神の背に顔をうずめられ、
そののち、どこまでもお二人が離れることはなかった。
こうしてお二人の愛は永遠のものとなった。

古事記に残された、神々の甘く濃密な恋の記憶
飛鳥の石人男女像は馬上で杯を交わす大国主とスセリヒメかも。






nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。