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翁13 飛鳥の聖火 [翁]

イラン ゾロアスター教聖火台跡.jpg
イラン ゾロアスター教聖火台跡

翁13 飛鳥の聖火

オリンピックの聖火はギリシャのオリンポス山のヘーラーの神殿跡で採火される。聖火ト
ーチへは太陽光線を一点に集中させる凹面鏡に、炉の女神ヘスティアーを祀る11人の巫
女がトーチをかざすことで火をつけている。古代ギリシャ人にとって、火はプロメテウス
が神々の元から盗んできたものと考えられる神聖なものであり、ヘスティアの祭壇で燃え
続けた。太陽光から聖なる火を採取する、つまり聖なる火は太陽の分身と言って良い。

ヘロドトスは、「ペルシャ人は天空全体をゼウス(神アフラ・マズダー)と呼んでおり、
高山に登ってゼウスに犠牲を捧げて祈るのが彼らの風習である。また、彼らは、日、月、
地、火、水を祀る」と記している。
ゾロアスター教の拝火檀は、どれも小高い岩山の山麓や頂上にあり、末広の箱型で四隅は
柱型がある。上部には火床と思しき窪みがありここで火を燃やしたと思われる。この拝火
檀が2基並んでセットになっている。一方の窪みは四角、一方の窪みは丸である。
ゾロアスター教は火を崇拝するが、火を神としてはいない。火は神を称え神に祈るための
手段に過ぎない。水がそうであるように火もまた清めの力をもつものとして神に連なるも
のであった。

飛鳥の益田岩船とゾロアスター教の拝火檀には形態に共通の性格がある。
・炉が二つでセットになっている
・山麓あるいは山頂に造られている
・屋外である

これは天上の神に供儀を捧げるための故ではないか。
天上の神に捧げる神聖な火、捧げられる供儀の受け取り手は遥か上空の神である。

聖火を守るのは特別な女性(巫女)や女装した神官であった。
飛鳥の聖火は、秦氏の女性によって守られていたはずである。
「延喜式」によれば、主殿寮の「火矩小子」の4人は「山城国葛野郡の秦氏の子孫で事に
堪える者を取り、之となす」とあり、伊勢神宮の「斎宮忌火庭火」の条には、伊勢神宮の
斎宮で新しく炊殿をつくった時、炊殿で用いる最初の火は、「山城国葛野郡の秦氏の童女
を取る」とある。
宮廷神楽においても、まず庭火を点火するが、この火も秦氏の童女が行っていた。
これは秦氏の童女の起こす火が聖なる火であり、秦氏一族が祭祀の火に深く関わっていた
ことを物語っているはずである。秦氏が宮廷祭祀から排除されたのちも、祭祀の火は秦氏
しか扱えなかったということだろう。

白い翁が太陽であれば、黒い翁は業火となって燃え盛る炎であり、秦氏が日と火の両方を
祀ることのできる特別なシャーマンであったことの記憶ではないだろうか。
黒い翁の火は白い翁の日と同じものなのだろうか?
白い翁が天上に連なる存在としたら、黒い翁の連なる先は地の底、冥界ではないだろうか。




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