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花や今宵の主ならまし [忠度]


平曲というものをテレビでみた。琵琶を弾きながら平家物語を謡うもので、平家の霊を慰めるために琵琶法師が伝えてきたものだそうだ。琵琶を抱える姿は胡坐とも違ってシルクロードの胡人のような大陸的な美しさがあった。ふーん。琵琶は西日本の文化だわ。天皇を守ってるつもりがいつのまにか朝敵に!!でも、花は散ってこそ花。心の中に咲いてこそ、まことの花。思えばいつの世も、朝敵こそ美しく悲しく滅び去り、そしていつの世も御門は生き残る。それにしても能舞台の平家の公達には、本気で戦う気があったとは到底思えず、橋掛かりを運んでくる彼らの執心も敗戦にあるのでなく笛だったり琵琶だったり和歌だったりで、文武両道を否定はしないけど、信長の人間五十年ならともかく、彼らの才能も価値観も武にはなかったように思う。戦線離脱してまで歌を届けに行く指揮官の部下はお気の毒としかいいようないけど、戦いや命より大切な守るべきものを持ってしまった彼らこそ、花そのものであり、命永らえ俗世の芥となった見所の人こそ実は本当の敗者だったのかもしれない。アルハンブラが戦いに負け、その城を明け渡すことによってスペインの王族の心を奪い、イスラムの美をヨーロッパに深く刻んだように。


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