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宝生五雲会2008.2.16 [船橋]

弓八幡 シテ渡辺茂人 地頭 小倉敏克

花月 シテ當山淳司

千手 シテ高橋亘 ツレ小倉伸二郎
たまたま脇正に座った私、一時間重ヒラ殿に見つめられて本日すっかり千手になりきりを堪能いたしました。謡いの途中で雨が降り止まない湿った空気がふっと鼻の先をかすめる。謡いも聞いてるしシテも見てるのに雨音と湿ったにおいが離れない不思議な体験。あれはなんじゃろ。伸二郎さん、一度宴席で貴殿にするどい突っ込みを入れられた私のことなどすっかりお忘れであろう。あの、最後のすれ違いの瞬間のために千手の人生はあったんですよね。

船橋 シテ小倉健太郎 小鼓森澤勇司
前シテって直面なんだ。なんでたて続けに兄弟で。弟子の身分では何故か恥ずかしくてなかなか見れない。シテはもっと嫌だろう。ロミオとジュリエット万葉版であることが次第にわかる。バルコニーでなく橋の板が取り離されていて二人はあっけなく死んでしまう。なんという単純さ。二人は同じ空間にいるのにめぐり合えていない。それは橋がこわされているから。橋をかけてほしいと二人は願う。この二人はまだ幼さの残る少年と少女にちがいない。相手の姿を見つけたときの喜び、そして引き裂かれた悲しみ。あまりにイノセントで二人を包む大人の世界から零れ落ちてしまう。都から遠い東の国のイノセントな世界。健太郎君の舞台に、私がいつもイノセントなものを感じるのは私がそれを求めているからだろうか。闇が深いほど光は輝く。鵺も船橋も闇を描く。にも関わらず私は闇を見ようとせず光ばかりを探しだしてしまう。三川泉の混沌とした底なし沼のような深遠な魅力までまだ遠い道のりのような、道はひとつでもないような。
後記 健太郎君の舞台に三川泉の何かを感じ、同時に私はそれが何か物足りない感じのように思った。それが何なのかは不明。


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