So-net無料ブログ作成

五雲会1月 高砂 「青き松葉の香りのごとく」 [高砂]

青き松葉の香りのごとく
能は香水に似ていると思っている。橋掛かりのトップノートでイメージが作られ、前シテのミドルノートで全体像がわかり、後シテがベースノートで最初から存在していながら最後に現れ、最も最後まで記憶に残る香り。香りを表現するのが難しいように、能もどこがどうよかったとかいうものでもなく、香りのようにつかみどころがなくはかなく、なのに記憶の中枢に深く刻まれ忘れることができないのもよく似ている。
高砂の謡いの中の「松根に寄って腰を摩れば千年の緑手に満てり」という感受性がとても好き。朝霧の中にたちこめる森のにおい、若木の青い香りで両手をいっぱいにしたときの気持ちを想像するだけで幸せになれるのだから。
私には、そのシテ方の技量といったものが分かるだけの知識も経験もなく、常に感じるままでここまで過ごしてしまったた。でもそれはとても幸せなことだったのだと。今日は謡いも型も知識がある分、謡本や仕舞集のページをめくるように見てしまうのである。悲しいかな浅薄な知識が夢見ることを阻んでいるのだ。本日は最低の鑑賞者であった。ごめんなさい。だがしかし、我が師匠の高砂は、青き松葉の香りのごとくであった。松の葉のようにつんつんにとがってはいるが
それでいいのだ。とがっていれば人生を平穏に送るのはむつかしい。でもとがっていればこそ、その気持ちのまっすぐなところが天にとどくというものです。ただただ信じる道をまっすぐにひたむきに走り続けて欲しいと願う高砂でありました。

メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。